急遽の依頼をいただき、板橋の三園福祉園という施設でミニコンサートをして参りました。

この施設は「重症心身障害日中活動支援事業所」ということになるらしく、つまり重度の障害を持つ方々が通う場所なのです。なのです、と言うとまるで詳しいようですが、恥ずかしながら実際には今回こうしてお話をいただいて訪れるまでそうした施設について知りもしなかったもので、良い機会をいただいたなぁと心から思っています。東京都下にはこの支援事業所が30弱、全国では300と少しあるのだとか。

今回は通所者の中で成人を迎えられた方が３名いたということで、そのお祝いもかねての芸術鑑賞会ということだったのですが、めでたい曲をサッと集めて披露できるほど器用でもなく、いろいろと心苦しく思いつつもともかく楽しんでもらえるよう精一杯の努力。やっぱり「ラ・カンパネラ」は知名度も受けも良くて、なんだかんだリスト（あえてパガニーニとは言わず）さんは凄いなあとシャッポを脱いでしまう。カッコいい曲なんだからちょっとはカッコつけて弾くのも良いかな、と吹っ切れてきたこの頃――というのも自意識過剰なんでしょうけど――、この曲を弾く楽しみが増してきた気がします。や、今回ももちろんアルカンだって（むりやり？）聴いていただきましたよ！

そして決まってから時間もなかったのに、名前入りのキーホルダーまで通所者の方々が作ってくださっていて、お花と一緒にプレゼントにいただいてしまいました。こんなの初めてで感激。ちょうど新しい家のカギをどう保管するか迷っていたので、さっそく使わせていただいてます。

こうして普段なかなか演奏を聴く機会を持てない方に音楽を届けること、もっとやっていけたら良いなあと心から思います。目の前での生演奏って特別ですものね。