1月19日12時半より東京文化会館にて、辛島輝治 喜寿記念演奏会 ~門下生とともに~という演奏会が行われます。私も出演させていただくことになっておりまして、先生のご意向もあり、アルカンのエスキス第4巻を(11月に続いて再び)取り上げます。
辛島先生は私が大学受験~学部生の時代にずっとお世話になった先生で、シューベルトがご専門。シューベルトの魅力に目覚めたのは先生のおかげというところが大きいのですが、それだけではなくて、ともかく音楽を聴くとき、弾くとき、教えるとき、いつも自分の根底にあるのは辛島先生から受け継いだものだと感じます。足し算ではなくて割り算でフレーズを捉えること、旋律の動きが持つ「位置エネルギー」のようなものを感じること、和声の変化の仕方によって時間の進み方が変わること。
高校生の時分に初めてレッスンしていただいたときは、「遠心力がかかってる」とか「ゴムを引っ張るときみたいな力が働いてる」とか、そういった抽象的というか即物的でない話を理解するのがなかなか難しかったものなのですが、だんだんにそれが染みこんでくるとなるほど、そうとしか説明しようがなかったりするのです。
自分だって今や生徒に対して、音楽と重力は関係している、というようなことをよく言うもので、なんだかわからんと思われているやもしれませんが、まあ、うん、辛島門下としてこのレッスンスタイルはきっと正しいはずだ、と信じているのです。
そんな先生のシューベルトのピアノ・トリオ、聴いてみていただければ幸いです。門下生の演奏曲目も非常にバラエティに富んでいて、ちょっと普段にない感じの演奏会になる気がします。お一方だけご紹介しますと、作曲家の寺嶋陸也さん(合唱をされる方などは特によくご存知かもしれませんね)、なんとご自身の新作初演をされるそうで。楽しみです。
私は11月に続いて同じく文化会館でのエスキスとなりますが、こうやってまったく別のプログラムに混ざっているとよりアルカンの魅力も輝くのでは、と考えています。レッスンにアルカンを持っていき始めたころは先生も困惑されていたように記憶しているのですが、しかし今回は是非アルカンを、というお話をいただいたもので、ちょっと嬉しくなってしまいました。
手許にもチケットございますので、もしご興味のある方はご一報くだされば直接ご購入いただけます。どうぞよろしくお願いいたします。
公演日 | 2014/01/19 (日) |
時間 | 12:00開場 12:30開演 |
地域 | 東京都台東区 |
会場 | 東京文化会館 小ホール |
チケット | 3,000円(全席自由) |
詳細 | 日本アーティストチケット |
出演 | 小林律子、大迫千恵美、服部真理子&上野裕規子、 古川かりん、澤田まゆみ、芹澤佳司、中野孝紀、大嶺未来、 三宅麻美、寺島陸也、森下唯、吉川隆弘、 辛島輝治、七澤清貴(Vn.) 河野文昭(Vc.) |
曲名 | アルカン;エスキス第4集より |
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